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■目的
AIWA XK-S9000カセットプレーヤの故障修復のメモです。
テープのデジタル化用に再登場ながらいい音を出してくれます。
■AIWA XK-S9000...Cassette Player最後の名機
1991年に発表された当時購入したカッセットデッキはなぜか心地いい音楽を響かせてくれるので気に入っていました。
CDの時代に入ってもCDを直接再生するより、一旦テープに録音してから再生して聞いていたのを思い出します。
個人的にはXK-S9000は録音したソースCDよりもいい音を奏でてくれていました。
最近、FM受信などで録音したテープのデジタル化を思い立ち、構成を検討しながらテストを完了したばかりです。
XK-S9000の電源を何年かぶりにONすると相変わらす浪々として粒立ちのいい音を聞かせてくれます。
iPodのイヤフォンで聞いているのをつい忘れさせてくれるので、ついでにWebでXK-S9000の情報を検索して驚きました。
Jank品でも58kyenもの価格が付いており歴代カセットデッキの中でも最高級レベルのデッキと謳われています。
以下は特徴の一部です。これだけでも当時の技術者たちの奮闘が想像されます。
・ドルビーSを民生用で初めて搭載
・世界初superAMTS搭載でカセットシェルに加重を駆けテープ振動を徹底防止
・世界初生テープ録音専用BTORシステム
・世界初デジタルダイレクト入力システム
・ワウフラッタ0.018%の4モータクローズドループデュアルキャプスタンメカ
・世界初オートローディング式カセットドア
・オーディオデジタル独立トランス
■XK-S9000仕様
項目 |
仕様 |
備考 |
ヘッド構成 |
Stress Free 6N巻線ピュア・アモルファスヘッド
ダブルギャップセンダスト消去ヘッド |
3ヘッド |
モータ |
ミューフラット DC サーボモーター (キャプスタン専用) x1
DC モーター (再生 /録音巻取専用) x1
DC モーター (FF /RWD専用) x1
DC モーター (スーパー AMTS /カセットドア専用) x1 |
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ワウ・フラッター |
0.018% (WRMS)
±0.035 % (W・PEAK) |
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周波数特性 |
メタルテープ* (-20dB 録音)8~27kHz -10dB
13~24 kHz ±3dB
CrO2テープ: (-20dB 録音) 13~22kHz ±3dB
LHテープ: (-20dB 録音) 13~21kHz ±3dB |
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SN比 |
65dB (NR OFF,メタルテープピークレベル)
87dB (Dolby S NT ON,メタルテープピークレベル) |
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寸法 |
469W ×151H ×415D mm (サイドウッド含む) |
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重量 |
14.0kg |
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■故障と修復
[現象]
再生を開始してすぐに停止する。
よく見ると右側のカセット駆動用ロータが回転していません。
[原因]
ロータとモータを結ぶベルトのはずれ
[対応]
カセットボックスの一部をはずしてベルトをプーリの溝に取り付けます。
■分解手順
1)サイドウッドパネルの取り外し
2)アッパカバの取り外し
3)カセットボックスカバー/フロントパネルの取り外し
4)カセット駆動メカカバの取り外し
5)カセットボックスブラケット固定ねじの取り外し(右側のみ) x3本
6)カセットボックスブラケットをずらすとカセットボックス裏のロータプリーにアクセスが可能
7)プーリに駆動ベルトをかけると修復完了..特に消耗や劣化の形跡はないようです。
■結果
ベルトのはずれは、無事修復を完了し元の心地よい音を響かせています。
録音テープの再生音が、明るく/どっしりして/艶やかで/粒立ちの良い音でCD以上に聞こえるから不思議です。
気持ちいい音を聞かせるのでiPodのイヤフォンを使っていることをつい忘れさせてくれます。
改めて聞いてびっくりとはこのことで、このような装置は個人的には後にも先にも初めてです。
Netオークションでは人気の機種らしく、出たらすぐに買い手がつく最高級レベルカセットデッキだと初めて知りました。
できるならこのまま故障もなく動いてほしいものです。