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2002年11月 アーカイブ

2002年11月 9日

ファイルシステムについて

■目的
  ADSLなど常時接続でセキュリティの重要性が高くなり、またTV画像など大容量のファイルを扱うにはパーティションやファイル容量の制限が問 題になってきました。このためファイルシステムの選択に必要な情報をまとめて報告します。

■ファイルシステムとは?
 HDDは物理的に複数のパーティションに区切って使用することが可能で、WindowsならCドライブとかDドライブに相当します。

 パーティションの中は多くの小区画に区割りされ、データはサイズに応じて複数の区割りにまたがって格納されます。データにアクセスするための住所録相当 部分 も またパーティション内にあり、区割りと住所録に相当するものがファイルシステムと呼ばれいくつかの形式が存在します。
 一方、どんなに小さいファイルでも最低 1つ の 区画サイズを消費するので区画サイズは小さいほうがHDDを有効に使用できますが、区画サイズを小さくすると区画 数の増加で住所録相当部分の増大を招きデータ格納部分の割合を減少させます。したがって、ファイルシステムには小容量あるいは大容量HDDに適したファイ ルシ ステムが存在します。また住所録には、目的の区画にアクセスできるグループやユーザを制限する情報を持たせたものもあり、インターネットへの常時接続など でよ り高いセキュリティが求められる場合はこちらが推奨です。

 現実にwindowsで使用されている主要なファイルシステムには3種類があり、OS毎に使用できるファイルシステムが異なります。また同じPC内に異 なる 複数のファイルシステムの存在が可能です。

FAT  FAT32 NTFS
MS-DOS /win95

Win95 OSR2 /98 /Me
WinNT
Win2000
WinXP
■ファイルシステムの特徴
 OSにもよりますが、比較的新らしいPCならFAT32かNTFSがデフォルトで使用されています。
 それぞれの特徴は下表の通りです。

FAT 
FAT32 NTFS
ファイル名 8.3形式 255文字以内 255文字以内
長所 200MB程度の容量でも効率的 FATの区画数を1024倍に拡張 400MB以上でも効率の低下がない
ファイルアクセス制限機能あり
回復機能が組み込まれている
圧縮機能を持つ
短所 1GBを超えると非常に非効率 大容量ファイル(4GB以上)を作成できない 400MB以下では非効率
■仕様           
 ファイルシステムの仕様をまとめました。
 動画を扱う際は特に最大パーティションサイズ、最大ファイルサイズは重要です。
 また一部のメールソフトでは最大ファイル数/フォルダーが影響するケースが出るかもしれません。

FAT 
FAT32 NTFS
最大パーティションサイズ 2GB /4GB *1 2048 GB 18,446,744,073 GB
最大ファイルサイズ 2 GB 4 GB 18,446,744,073 GB
最大ファイル数/フォルダ 512 (ルートDir)
65534 (サブDir)
65535 (ルートDir)
65534 (サブDir) *2
論理的制限なし
*1    4GBのFATパーティションはWinNT,2000,XPでサポートです。
   ただしWin95,98,Meからはアクセスできません。
*2    ファイル名によりファイル数が変わります。
形式 ファイル名 エントリ数/ファイル 最大ファイル数
8.3形式 8文字以内 1 65534
非8.3形式 12文字以内 2 32767

13-25文字 3 21844

26-38文字 4 16383
■NTFS
 たとえばOSがWin2000/XPでHDDも30G以上あるとかNTFSを使用できる環境にあるならば、間違いなくファイルシステムにNTFSを使用 する のが最適です。常時接続やTVキャプチャ機能を使う場合にNTFSを使用する具体的なメリットを使用経験から以下にまとめました。
項目 FAT16 FAT32 NTFS
TVキャプチャ録画 約1hrで分割*1 約2hrで分割*1 分割なし
常時接続 アクセス制限不可 アクセス制限不可 共有ファイルアクセスを本人、グループなどに限定
*1 録画時間はMPEG2の標準モード(6Mbps)の場合です。分割ファイルはたとえばMPEG2ファイルとして直接扱えなくなります。

なおNTFSを使用できない例には以下があります。
・マルチOS環境で複数のOSからアクセスを必要とするパーティション
・「DriveImage6」などシステムのバックアップ先としてNTFSが使えない場合

■NTFSの使用結果
 IBM ThinkPad X24ノートPCでは標準でNTFSを使用しているます。
OSがWinXPならメリットの多いNTFSを迷わずにを使うことを推奨します。ただしファイルアクセス制限の設定では、特にWinXPにおいてユーザや グ ループの検索でドメインやアクティブディレクトリなどが絡むので、以前より難しくなっているようです。慣れの問題ですが...。詳細は注意事項2を参照くださ い。

 なお「DriveImage8」では、DOSでNTFSを扱えるようにななっており、システムドライブのバックアップのために、以前のようにFATパー ティ ションを組み込む必要もなくなってきました。
また家庭内ネットワークでファイル共用を設定する場合でもアクセスできるユーザを制限でき、よりセキュリティ上でも安全を確保できます。
さらにMTV1000のように最近はやりのTV録画においてもファイル容量を気にすることなくTVキャプチャが可能です。(キャプチャカードによっては NTFSでも強制的に4GBサイズに分割するケースがあるかもしれません。)

■注意事項
1    FATおよびFAT32からNTFSに変換できますが、逆はできません
2    WinXPにおいて共用ファイルのアクセス制限を設定するときはエクスプローラの「フォルダオプション」にて「簡易ファイルの共用を使用する」のチェック マークをはずしま しょう。はずさないとFATファイルシステムと同じくアクセス制限のない共用になってしまいます。チェックをつけるのが推奨ですがこれはWin98/Me から のアップグレードユーザにより配慮した結果と思われます。

アクセスを許可するユーザの設定画面です。

2002年11月22日

Divx動画ファイル1

■目的
  DVDやMiniDVテープにしろデジタルビデオ用の媒体はまだまだ高価(約600円/120分)です。DivxはDVD(MPEG2)120分の画像 を、ほぼ同じ画質で 1/8の容量のCD1枚に圧縮してしまうといわれ、Divxを使うとCD-Rをデジタルビデオ、TV録画などの録画媒体として使えるようになります。 CD-R の価格は約120円で、120分映像を格納できるとしたら画期的低価格です。

■Divxとは?
Divxは映像圧縮ソフトでDivxNetworks社のWebサイトからダウンロードできます。圧縮されたファイルは拡張子がAVIとなり、Divxソ フト をインストールすれば最新のWindows Media Playerで再生が可能です。ダウンロードにはDivx(フリー)とDivxProの2種があり、Pro版はさらに広告付きフリー版と$30の有償版が あります。最新の 高品質圧縮機能を使用するならProのようです。広告付きフリー版には以下の説明があります。
DivX Pro includes advanced video features that produce the best quality video and smaller file sizes. This version of DivX Pro is completely free, but it includes ad-support software from GAIN.
つまり、「Proには高画質とより小さいサイズを可能にする新しい機能オプションが含まれる。ただし広告付きフリー版はGainの広告付き」です。
DivxNetworks 社のWebサイトはこちら

DVやTVなどの映像をDivxに圧縮するには「VirtualDub」などの書き出し用のソフトが必要で、DVD VideoをDivx変換するにはDVDのリッピングソフトでVODに吸い出した後、Divx変換が必要になるようです。
いずれもフリーのソフトを利用できます。

Divxの詳細は以下のニュースを参照してください。
ZDNet「ビデオ圧縮技術「DivX」 が オープンソースに」2001/01/18
ZDNet「海賊行為と手を切り,ネット 標準 を目指す"ビデオ界のMP3"」2001/09/11
ZDNet「ビデオ圧縮技術「DivX」 の最 新版がリリース」2002/03/06

Divxの最新Verは 5.0.5で、ダウンロード先はこちらです。


■Divxの再生
 現在インタネット上の映像は、MPEG、REAL、QuickTime、WMVが大多数ですが、容量がMpeg2より少なくてすむので最近かなりのペー スで Divx(AVI)が増加しています。ファイル名がAVIで、Windows Media Playerで再生できないファイルはまずDivxをインストールするだけで映像を見ることが可能になります。
 DivxファイルかどうかはWindows Media Playerの[ファイル][プロパティ]の[全般]タグで「ビデオコーディック:Divx Decoder Filter」が表示されていることで確認できます。

■Divxの作成
 TVやDVの映像を直接Divxに書き出すソフトは見当たらないようですが、一旦AVIやMPEGにした映像をDivxに変換し書き出すことができま す。
Divxの書き出しソフトには市販ソフトもありますがここではフリーの「VirtualDub」を使います。「VirtualDub」は海外版にもかかわ らず 日本語版もWebで入手可能です。

1    「VirtualDub」日本語版をダウンロードしてインストールします
2    [ファイル][AVIを開く]でAVI、Mpegファイルを取り込みます。このときAVIにファイルは自動的に変換されるようです。再生して映像が表示さ れるようなら取り 込みはOKです。

3    [Video]メニューで[再圧縮(完全)]を選択し[Codec]で「Divx」をえらび[設定]でEncoding Bitrateを設定します。

4    [ファイル][名前をつけてAVIを出力]でDivx変換が実行されAVIファイルが出力されます。エンコード速度は340x252サイズで、実時間の約 半分ですんでいま す。

■結果
 とりあえずDivxファイルの再生を目的に使用してみました。一方のDivx作成は設定マニュアルがWeb上の英語なので使いこなしが難しく、もうしば らく 使ってみる必要があそうです。
今回は概要の報告でひとまず終了ですが、別途、作成の詳細掲載を予定します。

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